性格傾向INFPを持つものは優しくて強く、世界を変えてしまう。

INFの民の中でも多いと思われるのがINFP側の人間です。

今回はそのINFPを主題に起き、まずはアニメのキャラクターから分析をしてみましょう。

まずこの記事から入られた方向けに、INFPという性格の簡単な説明を。

INFPとは内向的で繊細な心を持ち、穏やかで理想主義です。そして人生の意味を自分の内面の成長に見出します。

その自身の成長を遂げるまでのスピードが遅く、優しさと内向性から人間の性格の中で最もニートが多く生まれる、とも言われてしまう性質で、損な役回りを演じることも多いのです。

ですがその繊細な性格から生まれる洞察力から、対人関係において最高の名探偵にもなりえる才能を持っていること、それから物思いに耽る、想像力豊かな性質を持ってアイデアが溢れ出る事など、きっかけや成長さえ遂げれば他の性格タイプには追随出来ないほどの才能を発揮します。

一般的に「大器晩成型」とされる性格です。

さて、そんなINFPの性格を持ったキャラクターにはどんな人物がいるのでしょうか。何人か挙げていきましょう。作品やキャラを知らなくても大丈夫です、後で役割を解説します。

・キラ・ヤマト(ガンダムSEED)

・バナージ・リンクス(ガンダムUC)

・鹿目まどか(魔法少女まどかマギカ)

・エックス(ロックマンX)

ラインナップ的に趣味がバレてしまいますね。

以上のキャラクターについての解説にはネタバレもありますので、現在追いかけている方、今後チェック予定の方は注意してください。

さて、これらのキャラクターには全て共通しているのが作品を通して最初はあまり能動的な意見を持たず、振り回されるタイプの人物であり、振り回されながらも仲間や友達、顔の知らない大多数のために頑張る、というところから始まり、最終的に自分の意志でとても大きな事を為す、という共通点があります。

まずガンダムの2作品から選ばせていただいたキラとバナージから行きましょう。

彼らは二人共普通の学生でありながら、突然自分の意志とは関係なく戦争に巻き込まれることになります。二人共自分の身を守るというよりは、他人、友達を守るためにガンダムに乗り込み、戦火に巻き込まれてしまいます。二人共「戦いたくないけど、仲間を守れるのは自分だけだから」と、仕方なく戦いを続けます。

しかしその中で成長していく彼らは、最終的に自ら大きな決断を下します。キラは細胞によって適正を定められる”安定した世界”という実質的なディストピアのような楽園構造を否定し、自分で物事を決めていける世界を選びます。

バナージはそれまでのガンダム世界で起きた戦争の根底にあった世界構造が一転しかねない情報の公開を選択します。

これらはどちらも他人を信じての決断であり、INFPの優しさに溢れた選択であります。もちろんこれまで以上に悪くなる可能性もありました。ですがそれは選択前に分かる話ではなく、ここで性格のタイプとして大事なのは、彼らは自分なりに世界と向き合って能動的な選択をしたという点です。

そしてその受動性から能動性への進化は、まどかマギカの主人公である鹿目まどかも同様です。

当初、魔法少女でなかった彼女は友達の魔法少女の存在によって自分も魔法少女になるべきかを思案しつづけます。その選択を取らせまいとした暁美ほむらの存在によって最終局面まで変身を選ぶことはありませんが、それまでに経験した友人らの死、暁美ほむらの真実を知ったことで、最大のタブーである事を理解した上で、まどかは自身の変身を選択します。

そこで最終的に、まどかは自身の存在を消し、概念に昇華させることで「全ての魔法少女を救う」という目的にたどり着きます。

このまどかマギカという作品は骨子がしっかりしており、まどかというお手本のようなINFPキャラの成長物語です。最終的に大きくなりすぎではありますが。

そしてロックマンXの主人公、エックスはどうでしょうか。

ロボットのキャラクターではありますが、人間のような思考をするプログラムを組み込まれたキャラクターで、世界設定の中で「悩む事ができる」という初のロボットでした。

彼の役どころはハンターです。暴走したロボットを処理する役割を持った、いわゆる警察機構のロボット版と言ったところでしょうか。人とは違い、逮捕ではなく破壊や処理を任されます。

しかし、エックスの持つ”悩み”から優しさを生み、INFPらしい平和主義な一面のせいで暴走したロボットですら破壊に躊躇を持ちます。そのせいでハンターたちの中では「落ちこぼれ」とレッテルを張られてしまっていました。

しかし迷いながらもロボットの大反乱を戦い抜いた功績から、エックスはシリーズを重ねるごとに階級を挙げてはいますが、シリーズ終盤では「なぜ平和にならないのか」という理想主義らしい悩みに飲まれ、何も出来なくなってしまうという時期すらありました。(主人公の座から退き、特別な条件を達しない限り使用不可能)

これも非常にINFP的で、しかしそれを乗り越えた後の作品ではロボット全体から尊敬されるような絶大なリーダーシップを持った人物として再登場します。

というように見ていくと、INFPに対して大器晩成型、という言葉はピタリと当てはまります。最初は静かで受動的。仕方がないからやる、というような意識だったものが、何かのきっかけを得て成長を重ね、当初からは考えられないほどに大きな存在へと変わっていくのです。

アニメやドラマには様々な主人公がいますが、弱かったように見えた精神性が終盤で成長を遂げ、世界を変えてしまうほどに大きな事をします。

さて、これが実在の人物に置き換わるとどうなるでしょうか。

歴史の中にもINFPという性格タイプだったであろう人物は多くいます。もちろん当時に各偉人たちがせこせこ性格診断に勤しんだわけではありませんから、「恐らく」という程度の判定ではありますが、INFP「だったであろう」偉人にはこんな方がいます。

・ウィリアム・シェイクスピア

文学界では避けては通れないシェイクスピアさんです。作家肌のINFPにはピタリと合いますね。彼は詩人として現れたのは28歳。作家活動は30歳ごろからやっと目が出始めます。その性格については謎が多く、資料としてほとんど残されていません。しかし有名になるのは遅い時期であることから、大器晩成的であります。

しかし「生きるべきか、死すべきか」というセリフまわしや、若い頃に将来の不安に耐えかねて失踪していた時期があるなどの繊細さから、今ではINFPであったと考えられています。彼の作品は今でも語り継がれていますし、しょっちゅうゲームのキャラにも引っ張られるほど影響を与えていますね……(笑)

・ヘレン・ケラー

幼少期に視覚、聴覚を失った悲劇的人物です。ですが愛情を持った教育を受け、最終的に名門大学へ合格、その後自身の経験から「障害者のために生きる」という道を目指し、それが転じていつしか「社会で苦しんでいる人のために」と働くようになりました。

これも実にINFPらしい転換です。自身の苦しみをいつしか世界の幸せのために振るうようになります。その上彼女には執筆の才能もあったそうで、学生時代には執筆によってお金を稼いだと言います。

・坂本龍馬

日本偉人山手線ゲームをしたらまず出てくる人物でしょう。幼少期は落ちこぼれだったにも関わらず、30代で国同士をくっつけたという坂本龍馬の性格について、多くの人が「おおらかであった」と評しています。また、人の心を掴むのが上手く、普段は無口であったとか。でも口を開ければ人に好かれてしまう。そして器量が大きく寛大で、すごいことには敵であろうとすごいと言える素直な人物だったそうです。

こういう部分に関して、INFPらしい推理力の高さが伺えます。普段は無口であるという印象を与えるのは内向的らしさがあり、誰にでも好かれるのは相手の表情や志向を察するのが得意であること、そして寛大さを持ってINFPらしさは抜群に現れています。そして極めつけが暗殺の瞬間ですね。坂本龍馬は暗殺されてしまいましたが、最後に事切れる瞬間まで瀕死状態になった相棒の中岡慎太郎の事を心配し、刀で3回も切られた身でありながら中岡のために助けを呼び行こうと這いずったと言います。

そんな彼が薩長の中をとりもち、戦争の火種を消し、ひいては日本全体の成長のために尽力したわけです。

そんな坂本さんですが、板垣退助には「おおらかすぎて官職は無理」と言われるオチつきです。INFPには堅苦しい官職は難しい。その通りです。

というわけで、INFPと仮定される偉人の紹介でした。当然彼らは特別ですが、それぞれINFPの特徴を持っています。

INFの民、特にINFPの強い方はこれを覚えておいてください。

例え今、無能であったとしても、何か悩みに苛まれてしまっていたとしても、あなたの繊細さから生まれる思考は何かを生み出し、やがて誰かにとって大きな存在へとなりえるのです。その理想を忘れませんように。