孤独に生きる事を素敵に導く『デス・ストランディング』の紹介
- 2019.12.23
- 悩みながら生きる糧 趣味とか好きなものの話
悩み多きINFの民である私が、同じく悩みを抱える方への処方箋としてお教えしたいこのカテゴリ。というかただ自分の好きなものを紹介するカテゴリ。久しぶりの更新です。
今回はPS4向けゲーム『デス・ストランディング』を紹介します。知らない方は「なんだゲームか」とブラウザバックする前に少しだけでも読んでみてください。このゲームは悩みに効きます。ネタバレは設定程度に押さえてあります。
ご存じの方も私の解釈を持って紹介しますので、共感していただけるかなと。
『孤独』と『繋がること』をテーマにした作品
このゲームの舞台はアメリカ大陸です。そこはある大爆発によって人々の多くが死んでしまった世界。既に大陸の殆どは自然に覆われ、人々はシェルターなどに籠もって生活をしています。
主人公はこの死の蔓延した世界に通信網を回復させ、アメリカ大陸を繋ぎ直し、人々を再び繋げることを課された配達人(ポーター)です。

そんな彼、主人公のサムですが、彼は接触恐怖症なのです。
人と触れ合うことを恐れ、距離を取ります。他人から蔑まれているわけではなく、でも孤独なのです。この画像はいいですね、彼の人となりを表しているようです。
繋がれないけど、繋げる人『サム』
そんな彼がしている仕事がポーターなのです。人のために働いているんです。仕事をする上で、誰かに「ありがとう」と言われることを仕事にしているんです。
接触恐怖症の彼が、誰かのために行動しているのです。面白い設定ですよね、物を運ぶということは、送り手と受取人がいます。その間に立つのが接触恐怖症の(人と繋がれない、触れ合えない)サムなのです。
彼は依頼を通信端末から受けます。極めて実像に近いホログラムの通信で会話をします。

彼は孤独で自然と向き合い、依頼人や受取人の待つシェルターを目指します。プレイヤーは湿地帯や川、山道や谷をなんとか越えて、物を届けるのが役目になります。
物を運び、人同士を繋げる。それが同時に「アメリカ大陸を繋ぎ直す」という役目に直結しているのです。人同士を繋げた時に世界がつながっていく。
人を繋げることで、サムもまた知らずに繋がっていく
今作には移動手段にバイクや車両、強化骨格などがあります。
これらは最初から使えるわけではありません。普通のゲームでは所謂「博士キャラ」がいて、その人がなんでも開発してくれるのが一般的でしょう。
しか今作ではそんな人はいません。人は苦手なことと得意なことがあって、たくさんのことを分担して生きています。
だから強化骨格をデザイン出来るのは、そういう知識を持った人だけ。サムが荷物を届けた先にその技術を持った人がいると、サムにその技術で作り上げたものを提供してくれるのです。
メタ的に言えばゲーム特有の『強化要素』です。でも今作で手に入る理由は、サムが通信網を繋げたからなのです。だからそういう人に出会えて、サムは便利な道具を手に入れます。
誰かと誰かを繋げた結果、孤独なはずのサムにその余波が届くんです。
サムがあなたを繋いでくれる

その他にもゲームをしていると他のプレイヤーとの薄いつながりが常に広がり続けます。あなたの落とした荷物を、誰かが拾って届けてくれたり、みんなが通るのを苦労した川の上に、誰かが橋をかけてくれたり。今作をオン”ラインで繋ぐ”とそういう事が起こるんです。
ゲームの全てに『繋がり』の要素が散りばめられています。サムというキャラクターを通して、プレイヤーは他のプレイヤーと繋がっていることを意識させられます。
これがまた素敵なのです。サムとしてゲームをプレイするあなたもまた、いつのまにか誰かと繋がっているんです。
しかし誰とも繋がりたがらないのがサム。ゲームの進行によって彼がどうなっていくのかは、実際にプレイして確かめてもらいたいです。
孤独な人が作った作品
今作を作った小島秀夫さんという方は著名なクリエイターで、世界でもゲーム好きに知らない人はいないほどすごいクリエイターなのですが……。
小島さんは子供の頃から常に孤独を感じてきたと自著にかかれていました。
実際に話したことがあるわけではないので、小島さんの人となりは存じ上げないのでわかりませんが、おそらく性格の中にINFの民ような要素を色濃く持っておられるんじゃないかなと思います。
メタルギアソリッドシリーズなどの有名作を手掛けてきた小島さんですが、今作では徹底的に孤独であることと、そこから「歩いて」「繋がる」ことへの光を示しました。
ゲームとしてはどうなのか
ゲーマーであればクリアまで難易度に全く問題ありませんが、少し退屈に見えるかもしれません。
が、アクション要素として「荷物を奪おうとする人間」との戦いや、幽霊のような存在との戦いもあります。
逆にゲームを遊んだことがない人にとっては難しそうと思うかもしれませんが、大丈夫です。
今作の難易度設定にほとんどゲームに触れたことがない人向けの難易度も用意されています。
初めてゲームに挑戦する、という人でもクリア出来るように作ったと小島さんも言ってらしたので。
最後に
すごく優しいお話で、私は心にザクッと刺さりました。最終盤は涙が止まらず。
映像表現、音楽の使い方、ストーリー表現、他のゲームには無い設定、世界観、ゲームプレイ。
小島さんは全く新しいものを作り、たくさんの人々を魅了して、そこに影響を受けたことでこうして私自身もこの記事を書きたいと思い、そして『読んでくれた方』と繋がりました。
INFの民の夢を一つ叶えたような作品です。今作は普段孤独感を感じている人に遊んでもらいたい作品なんです。
最後に今作のPVをどうぞ。ちょっとした映画のトレーラーのつもりで見てみてください。
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