母が味覚障害について話してくれたこと
- 2020.06.15
- 母の話
抗がん剤治療の進む母ですが、抗がん剤の副作用の一つに味覚障害があります。
考えると恐ろしいのですが、コロナウィルス(COVID-19)と似た症状が出るというのは薬として非常に怖いですね。でも直すためなので、もちろんしっかり投薬を受けているのですが。
それで、母は抗がん剤を打った後で食が進まなくなります。
ご飯やパンは紙粘土のようだと言いますし、バナナなんかはドロみたいと言います。
治療の始まった数ヶ月、そんな状態ながらに乗り越えてきたのですが、最近味覚障害でも楽に食べられるものがあることがわかってきたそうです。
多分症状そのものに差異があるのと同じように、一人ひとり障害の出る味覚についても違うのかもしれませんが、一つの例として、もし身内に味覚障害が出てしまった人がいたり、抗がん剤の副作用での味覚障害を持つ方の閃きになればなと、せっかくなので書いて残すことにしました。
味覚障害中は食が減るため、健康に気遣って食べるよりもまずはカロリーを取ることも大事だそうで。
そこで悪くない選択肢がアイスなんだそうです。これは看護師さんが言っていたのですが、夏場には冷たさもあって、味はわからなくてもその冷たさで食べられる、ということなんですね。
でも母曰く、バニラアイスはあまり味がしないとか。ただの冷たい泥と言っていました。
そんな中で、若干救世主的に現れたのがガリガリ君のみかん味でした。これは美味しいそうで、我が家の常備品になりそうです。なんでも酸っぱい味がわかりやすくて、食べてる感があるんだそう。氷アイスなので暑い日にも良くて、私の買い物リストに加わりました。次はグレープフルーツ味にも挑戦してみようと思います。
それで、先程ご飯がだめとしましたが、こちらも酸っぱさを足して、酢飯にすると食べられるらしいんです。なので半額のパック寿司などを見つけたら買うようにしていて、これなら美味しいと食べています。
で、これはうどんなんかでも同じで、普通のめんつゆで食べる場合だと湿った細長い紙粘土を食べているようだ、という事なのですが、酸っぱめの味付けのめんつゆ(こちらもお酢を足して、サラダにするような味付けのめんつゆ)にすると味がわかって食べられるそうなんです。
甘みに関してもまた同じで、ホットケーキレベルの甘みは全くわからず、やはりパサパサした紙粘土、とのことなのですが、これがチョコレートやあんこになるとわかるそうなんです。
ということは、もしかすると抗がん剤における味覚障害というのは「味が消える」のではなくて、「果てしなく鈍感になる」という認識で、一定レベルの味ならばそれなりに分かるレベルで食べられるのかもしれません。
その中でも特に酸っぱさというのが、今の所母の救世主になっています。
濃い味付けは体に悪かったりするので強く推すわけではありませんが、そもそもの味が濃い食材であれば、味覚障害であっても健康的に食べられる程度の味がする可能性があります。
みんながみんな同じ味覚を失うわけでは無いとは思うのですが、一例として、どなたかの参考になればと思います。
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